伊月くんが伝票を持って立ち上がるのと同時に、私も席を立つ。

パイとクレープ、それぞれいくらだっけ。

細かいお金、財布に入ってたかな。
伊月くんに半分渡さないと。


そんなことを考えながら、テーブル席を離れようとするけど、後ろからぐいっと腕をつかまれて、動きを強制終了させられた。

首だけで振り返って、ため息。


「延藤くん、手……」

「なに?」

「なにっていうか、離して欲しいんだけど……」

「なんで? 真桜ちゃんは俺の彼女なのに、伊月と一緒に帰るのは、おかしいでしょ」