お互いに譲り合って、平行線。

私が話そうとしたことなんて、私自身、何も考えていなかったくらい、中身のないこと。


「私、伊月くんが言おうとしたこと、聞きたい……」

「あ……うん」


伊月くんは少しためらいながら、口を開く。


「あのさ、俺が新しい……──」


──コン、コン。


すぐそばで何かをノックするような音に、最初に顔を上げたのは、伊月くん。

すぐに眉を寄せて嫌そうな顔をしたのを見て、私も視線の先を追いかけた。


「うぇ……」


変な声を出してしまった。

ファミレスの外にいて、窓を叩く延藤くんを見つけたから。