時間差で伊月くんは笑って、私の目を見つめる。


「うん。真桜に最初に聴いてもらった、デビュー曲。あの歌まで知ってるって言われて、本当に驚いた。あれって、配信限定で、今は聴けないものだから。昔からずっと好きでいてくれてるんだって分かって、嬉しくなった」

「驚いた度合いでいったら、私の方が絶対大きかったけど……。だって、好きなアーティストが、隣の席にいたんだもん」

「あー、そっか。それはまあ、確かに」


ふたりで顔を見合わせて笑う。

フルーツパイに乗せられたアイスは、すっかり溶けてドロドロになってしまった。


「ごめん、真桜が食べたがってたやつ、溶けちゃったな」

「溶けても、ちゃんとおいしいよ」

「そうか? ……あ、ほんとだ」

「ね」