「い、いえ、私は……」

「え? 行かないの? コウくん、まさか蕪木さんのこと、誘ってなかったりする?」

「あー、いや……、これから言うつもりで」


問いかける葉山さんに、延藤くんはめずらしく困っている様子。


偽物彼女なわけだし、別に好きでもなんでもない私と、放課後まで一緒にいるなんて、楽しくないだろうし。


でも、延藤くんなら、それよりも、私が嫌がることを優先しそうだから、葉山さんに乗っかりそうな気がしたけど。


だけど、好都合。

延藤くんが乗り気じゃないなら、キッパリと断れる。