言い終わっても、伊月くんの顔を見ることが出来ない。

ナデシコの曲だけが、変わらずずっと、片耳から鳴り響いている。


膝の上で握った手が、フワッと温かさを感じる。


大きな手のひらが、私のこぶしを包んでいた。


「えっ、……えっ!?」


動揺して、思わず顔を見る。


「やっと、こっち見た」

「えっ、あ、あの……?」


私を見つめる瞳は、予想に反して、とてもやわらかなもので。


「信じるよ、真桜のこと」


誰にでも冷たく接する伊月くんは、私だけには笑ってくれる。


「……信じる」


ああ、私が好きになった、伊月くんだ。