まだ、そう言ってくれるんだ。

涙がこぼれそうになって、その顔を見せないように、うつむいて伊月くんの隣に腰を落とす。


「ありがとう……」


イヤホンを受け取って、耳に当てる。


大好きな曲が聴こえる。

私の大好きな、伊月くんの声が。


「あのね、伊月くん……、こんなこと言うの、おかしいかもしれないんだけど」


不思議。

聴き慣れたナデシコの歌声が、背中を押してくれる。


「私が、延藤くんと……付き合ってるって……話、あれは、その……」


体育座りをした膝の上で、ぎゅっとこぶしを握る。


「あんなの、本気にしないで欲しいの……!」