今日は、教室中のみんなが敵に見えてしまう。

いつも仲良くしてくれる友達も、そばにこない。


でも、仕方ないんだ……。

これは、私が自分で選んだことだから。


自分の席で、ただじっとうつむく。

すると、

「真桜……っ!」

まっすぐに私を呼ぶ声が聞こえて、顔を上げると、そこには成美ちゃんがいた。


「あ、成美ちゃん……、おは──」

「ちょっと来て!」

「えっ、あっ」


成美ちゃんの顔を見て、ホッとする暇もなく、手をつかまれ、勢いのままに教室の外へ連れ出された。