「どういうこと? あの子って、いつも伊月くんと一緒にいなかったっけ?」

「延藤くんにも手出ししてたってことじゃない? 最低……」

「男って、ああいうおとなしそうな奴に騙されるよね」


朝から、教室の隅の方から、悪意しかない視線と、悪口が聞こえる。

こんなことになるって、何となく分かってはいたけど。

実際に聞いてしまうと、辛いなぁ……。

あの子たち、別に仲良くしてたわけじゃなかったけど、たまに話す時には笑顔を向けてくれてたのに。