ゆっくりと、隣に座る。

確かに、日陰は幾分か肌に感じる熱が少ない感じがする。

弱く流れる風が、気持ちいい。


「伊月くんの隣で、イヤホンから音楽を聴かないのって、久しぶりだね。去年、隣の席になったばかり……以来かな?」


伊月くんと隣の席になった時は、最初は会話も何も無かった。

ただ、ひとりで音楽を聴く横顔を、たまに横目で追うだけで。


改めて思う。

こんなふうに一緒にいられるなんて、奇跡みたい。