いつも人前ではクールな伊月くんは、私の前では色んな顔を見せてくれる。

私にだけ……なのかな。

そうだといいな。


「ううん、やだ! 忘れない! こんな嬉しいこと、忘れるなんて無理だもん」


目を見開いた伊月くんは、すぐにパッと目をそらす。


耳が赤い。


「……これからは、伊月くん以外の男子とは、ふたりきりにならないようにする」


延藤くんのあの言葉は気になるけど、今は、目の前にいる伊月くんのことだけを考えたい。