出逢いのシチュエーションは最悪。


お互いに悪印象しか残っていない。



「最低のヤツ」


これがあたしが彼に対する一番最初のイメージ。



「生意気なクソガキ」


これが彼があたしに対する一番最初のイメージ。


でも、誰がどう見たって、彼の方が悪いと思う。


今でもあたしたちの最悪の夜の事を話題にすると、


「あの時は、仕事が上手く行かなくてイライラしてたんだよっ」って、早口でまくしたてる彼。


「お前だって、俺の事、殴っただろ?しかもグーで!!」


ひどいことしたとは思うし、反省もしてるけど、グーって、グーパンチって!!



「だって、ムチャクチャ腹立ったんだもん!!」



あの最悪の夜でさえ、今ではこんなに大切に思える。



お互いをこんなに愛おしく思えるのもずっと一緒に居たいと思えるのも、全てはあの夜のおかげ。



あたしは彼に出逢えて、本当にシアワセ。





世界一、シアワセ。