「それにほら、私は樹から回された仕事とかで他の男ヤッたりしてたし、晄だって別にヤッてないんだからいいだろ」



「仕事は仕事だろ!!!それとこれとは別だ!!
それともなんだ?仕事相手にも色仕掛けでもしてたのかよ!!」






樹はそう言いながら晄を突き飛ばして私の胸ぐらを掴んだ。



しかし突き飛ばされた晄は起き上がったあと、私の樹の間に入ってきた。






「なんだよ、今の。
男とヤる仕事ってなんだよ。そんなもん菫にさせてんのかよ!」



「そーだよ!!
風俗通いで金払いが悪くなった汚ぇオッサンは呼び出して女とヤらせて無理やりされたーとか難癖つけて闇金。これが俺らのやり方。」



「汚ぇオッサンと…?」



「でもこんな美人オッサンに触らせんの勿体ねーから、金払いの悪くなったイケメンをこいつに回してヤらせて無理やりされたーっつって弱み握ってホストに転身〜。
だから菫はイケメン専用って訳」






イライラしつつもそう正しく説明する樹をキッと睨む晄は今にも樹を食べそうな顔をしている。






「好きな女にそんなことさせるやつがあるかよ!!!
そんな奴に菫は渡さねぇ!!俺の方が幸せに出来る!!」






睨みを聞かせてそう宣言した晄を樹は睨み返したあと、どうなるかヒヤヒヤしていたけどぷいっと顔を背けて私の腕を掴む。






「家はいるぞ菫。
じゃーな、所詮お前はただの遊びだ!」






バイバイと晄に手を振りながら扉を占める樹。



晄は玄関の向こうで『諦めねぇかんな!』とだけ行って去っていく足音が聞こえてきた。