散らかった部屋に悪臭を放つゴミだらけの床、そこに倒れているアザや火傷痕だらけの裸体。

父は私を犯した終わると、いつもコンビニに酒を買いに行く。しかし、たまたま今日が家賃の支払い日という事で大家さんが来たのだ。

意識が朦朧としていてあまり記憶がないけれど、大家さんが警察に電話して、私は救急車で運ばれたんだっけ。

その後、父は逮捕されて刑務所行き。私は警察に保護され、傷の治療とカウンセリングの為、数ヶ月ほど病院で過ごして退院した。

それから、私は不登校ぎみだった高校を退学し、住んでいたアパートを引越してカフェのアルバイトをして生活している。

私が声を出せない事を理解して、気を使って筆談をしてくれている皆には感謝してもしきれない。

「(店長も先輩達も良い人ばかりで楽しいな…お客さんは多くて忙しいけど)」

そう思ったのもつかの間、ある日…バイトの休憩中に突然吐いてしまったのだ。

「うっ…ゔぇぇぇぇぇ!」

休憩室の前で倒れ、扉に頭をぶつけ大きな音が鳴る。それに気づいたバイトの先輩が走って駆けつけきた。

「伊島〜、大きな音がしたけど大丈夫か……って店長!!店長〜!!!」

目が覚めた時には病室のベッドにいた。腕には点滴が刺さっており、倒れた際に怪我をしたのか頭に軽く包帯が巻かれていた。

(とんとん)

肩をつつかれ、横に顔を向けると先輩が小さなホワイトボードに何かを書き始めた。

【「体調は大丈夫か?厨房で仕事してたらデカい音がなってよ。休憩室に行ってみたらお前が倒れてたんで驚いた)】

すると、先輩はボードの文字を消してペンと一緒にこちらに渡してきた。そして色々と筆談のやり取りを行った。