「暖人くんおっぱい飲もうね~」

授乳でごまかそうとするも、吸い付いてはやめて、うとうとしてはまだ泣きだしという状態が続き、私はずっと抱っこしっぱなしだ。昼間ラクだったのってなんだったのだろう。

そこで気づく。これはもしや昼夜逆転状態なのでは?
暖人の中ではこれからが起きる時間になっているのかも。そうだとしたら、とても困る。駿太郎さんとの夫婦の時間はおろか、一晩中抱っこし続けるハメになるかも。
ここは何としても眠ってもらって、昼夜のリズムを取り戻してもらいたい!

暖人を抱っこして、冬の夜の散歩をしようか。でも、お風呂あがりだから湯冷めさせたくない。抱っこ紐に入れてしまおうか。それだと、下ろすときにどっちみち起きるだろう。

結局リビングを暗くしてうろうろと歩きまわる。
目がしょぼしょぼしてきた暖人を私たちのベッドに運び、添い寝して背中をトントン。

あ、暖人寝てくれそう。
でも、私も……眠い。




「芽衣子、芽衣子」

低くささやくように呼ぶ声で私は目覚めた。ぱっと目を開けると、目の前にはすやすや眠る暖人。そして、私を覗き込んでいるのは駿太郎さんがいた。
私は暖人を寝かしつけながら一緒に眠ってしまっていたようだった。

駿太郎さんがしーっと人差し指をたてて、それから手招きする。
私は暖人を起こさないようにリビングへ。