「なーんで目、そらすの?」 少し体を起こして、突いた肘の先の手のひらに顎をついて、あたしを見下ろすあらた。 空いている方の指先は、くるくるとあたしの髪の毛を巻きつけて、遊ぶように動いている。 「…な、んでも、ない、よ?」 恐れおののいて、左右に振った頭。 「あんず、ウソ、つくな。」 いつの間にか、髪から離された指先は、あたしの顎の先を掴んでいる。 そうして、目を合わせたあらたは、耐え難い甘い甘い誘惑にも似た、命令をあたしに下す。 .