もしかしたら、あらたがふらりと訪れるかもしれない。 未だに続けている、コンビニのアルバイト。 あたしはあらたの部屋を知らない。 それどころか、携帯番号もメールアドレスさえ、知らない。 そのことに気がついたのは、あらたがいなくなった後のこと。 連絡先を知らなくても、毎日のようにあらたはあたしの部屋にきて。 時には外に連れ出してくれた。 あらたと同じ、水色の車を見かける度に、追いかけたい気持ちを呑み込む。 .