「独りで、独りきりで歩こうとすんな。あんずの横には俺が居んだよ。だからあんずも、俺の横に居ろ。」 穏やかで優しいあらたの声。 不思議と顔つきも優しくて。 人混みの隙間で立ち止まって向かい合う。 まるでここだけ時間が止まったように、周りの音が聞こえない。 あたしの、あらた。 あらたの、あたし。 せめてこの瞬間だけは、そう思っていいんだろうか? 時間の狭間で、ゆっくり思う。 .