「あんず。あーんーずー!」 あらたの声にはっとして横を向けば。 前を向いたまま、あらたがあたしを呼ぶ。 「あーんーずー!あーんーずー!!」 更に大きな声で叫び続けるあらた。 「ちょ!あらたっ?!」 すれ違う人たちが、そんな、あらたの大声にびっくりして歩みを止めている。 「あらたってば!!」 強く腕を引けば。 「そばに、居ろ。」 前を向いていたあらたの顔がゆっくりと、あたしに向けられた。 .