コーヒーカップを空にしたあらたは、おもむろにベッドルームへと入ってゆく。 あたしが呼ばれないと言うことは、抱く気はないのだろう。 気になってベッドルームを覗くと、あらたはクローゼットを開けている。 「何、してるの?」 問いかけたあたしを無視して、振り向いたあらたの手には一枚のワンピース。 「あんず。今日の服、これな。」 ワンピースをハンガーごとあたしに押しつけた。 .