今日は、藤城さんと、藤城さんの奥さんと、律さんと私で、結婚おめでとう会を開く日。

色とりどりのチューリップの花束と、ちょっと良いワインとオードブルを買い込んで、藤城さんと奥さんの新居に向かっている。

「どうして選んだんですか?チューリップ」

隣を歩く律さんが、微笑みながら私に聞いた。

「え…?あ、無意識、でした。チューリップ、好きだから…」

「ふーん?無意識、なんだ?」

律さんの表情は、柔らかい。

律さんと私の思い出の、お花だから。

なんにも考えずに、選んでました。

あ、お祝いにチューリップって、変でした?

続けて聞いた、私に。

「いや、いいんじゃないですか?あなたらしくて。オレも好き、ですよ?チューリップも、あなたも」

ね?

なんて、私を覗き込む。