「の、呪い?一体誰がそんなものを……」
おでこを攻撃された痛みで目に涙を浮かべながらイヅナは訊ねる。ツヤは「憶測でしかないが……」と言い、イヅナに顔を背けた。
「森に来る以前の記憶はない。でも、見知らぬ女があたしの名前を呼んでいる映像だけは頭に残っている。その女は白い髪をしていた。それがどういうことかわかるか?」
白い髪、それは入団試験の際に習ったことなので覚えている。呪術師の髪の色だ。呪術師とは、呪いを駆使して妖を倒すことができる人間のことである。
先天的に呪術師として才能がある者は、髪の色が白くなる。後天的に呪術師になる者もいるが、その場合は髪の色は白にはならない。先天的に才能がある方が強い呪術が使え、人を呪い殺すこともできる。
つまり、ツヤに呪いをかけたのは呪術師かもしれないということだ。しかし、そこで疑問が生まれる。
「でもツヤさん、おかしくないですか?呪術師にとって妖は敵で、普通なら生かさずに始末すると習いました。仮にツヤさんが呪術師に呪いをかけられたとして、何故生かされているんでしょうか?」
おでこを攻撃された痛みで目に涙を浮かべながらイヅナは訊ねる。ツヤは「憶測でしかないが……」と言い、イヅナに顔を背けた。
「森に来る以前の記憶はない。でも、見知らぬ女があたしの名前を呼んでいる映像だけは頭に残っている。その女は白い髪をしていた。それがどういうことかわかるか?」
白い髪、それは入団試験の際に習ったことなので覚えている。呪術師の髪の色だ。呪術師とは、呪いを駆使して妖を倒すことができる人間のことである。
先天的に呪術師として才能がある者は、髪の色が白くなる。後天的に呪術師になる者もいるが、その場合は髪の色は白にはならない。先天的に才能がある方が強い呪術が使え、人を呪い殺すこともできる。
つまり、ツヤに呪いをかけたのは呪術師かもしれないということだ。しかし、そこで疑問が生まれる。
「でもツヤさん、おかしくないですか?呪術師にとって妖は敵で、普通なら生かさずに始末すると習いました。仮にツヤさんが呪術師に呪いをかけられたとして、何故生かされているんでしょうか?」


