「今回も残念だったね、イヅナ」
ヴィンセントがそう言い、イヅナの目の前が真っ暗になりかける。その時、人狼の姿がレオナードの前から消えた。
「は?」
これには全員が驚き、辺りを見回す。刹那、イヅナの背後に人狼が姿を見せた。よだれを垂らし、顔を青くして震えるイヅナに鋭い爪のついた手を振り上げる。
妖と人間は分かり合えないの?
そんな疑問をイヅナが感じている間にも、ゆっくりとその手はイヅナの体を裂こうと降りてくる。刹那、人狼の腕に何か棘のようなものが刺さった。
「えっ?」
イヅナがよく見ると、それは長い針だった。まち針のような飾りがついている。その針が刺さった刹那、人狼はその場に倒れた。意識を失っている。
「この針って……」
「ツヤさんからもらったものだぜ」
驚くイヅナに対し、レオナードが笑って説明をする。この針に仕込まれているのは毒ではなく、妖にしか効かない麻酔で数分ほど相手の意識を奪うことができるらしい。また、針が刺さった痕は普通の傷ではなく、彼岸花の模様が浮かぶため、人に化けた妖を見つけるのに役立つそうだ。
ヴィンセントがそう言い、イヅナの目の前が真っ暗になりかける。その時、人狼の姿がレオナードの前から消えた。
「は?」
これには全員が驚き、辺りを見回す。刹那、イヅナの背後に人狼が姿を見せた。よだれを垂らし、顔を青くして震えるイヅナに鋭い爪のついた手を振り上げる。
妖と人間は分かり合えないの?
そんな疑問をイヅナが感じている間にも、ゆっくりとその手はイヅナの体を裂こうと降りてくる。刹那、人狼の腕に何か棘のようなものが刺さった。
「えっ?」
イヅナがよく見ると、それは長い針だった。まち針のような飾りがついている。その針が刺さった刹那、人狼はその場に倒れた。意識を失っている。
「この針って……」
「ツヤさんからもらったものだぜ」
驚くイヅナに対し、レオナードが笑って説明をする。この針に仕込まれているのは毒ではなく、妖にしか効かない麻酔で数分ほど相手の意識を奪うことができるらしい。また、針が刺さった痕は普通の傷ではなく、彼岸花の模様が浮かぶため、人に化けた妖を見つけるのに役立つそうだ。


