その音を聞きながら、イヅナはヴィンセントを見つめていた。ヴィンセントは優しく微笑み、「もう気付いているでしょ?」と言って震えるイヅナの頬を優しく撫でる。
「あの人狼とは、意思疎通ができない。僕たちがどれだけ言葉をかけようと、あの人狼は人を襲うのをこれからもやめない。共生したいというイヅナの気持ちはわかるけど、今回もまた始末するしかないんだよ」
「それは……」
イヅナはレオナードと人狼の方を見る。二メートル近くはあるであろう巨大な人狼相手に怯みもせず、レオナードは戦鎌を振り回し、人狼の肉を裂いていく。
「こいつの核、心臓だな」
一瞬、人狼が心臓の辺りをかばい、レオナードは核の場所に気付く。ヴィンセントは「早く止めをさした方がいい」と言い、震えるイヅナの肩を抱き締めた。
人狼を唯一倒せるのは、シルバーブレッドと呼ばれる特別な弾丸だと普通の人間の間では語られている。しかし、実際は違う。どんな妖でも核を壊されれば死ぬ。その壊す武器にシルバーブレッドなど必要ない。ナイフで刺しただけでも人狼は死ぬ。
「あの人狼とは、意思疎通ができない。僕たちがどれだけ言葉をかけようと、あの人狼は人を襲うのをこれからもやめない。共生したいというイヅナの気持ちはわかるけど、今回もまた始末するしかないんだよ」
「それは……」
イヅナはレオナードと人狼の方を見る。二メートル近くはあるであろう巨大な人狼相手に怯みもせず、レオナードは戦鎌を振り回し、人狼の肉を裂いていく。
「こいつの核、心臓だな」
一瞬、人狼が心臓の辺りをかばい、レオナードは核の場所に気付く。ヴィンセントは「早く止めをさした方がいい」と言い、震えるイヅナの肩を抱き締めた。
人狼を唯一倒せるのは、シルバーブレッドと呼ばれる特別な弾丸だと普通の人間の間では語られている。しかし、実際は違う。どんな妖でも核を壊されれば死ぬ。その壊す武器にシルバーブレッドなど必要ない。ナイフで刺しただけでも人狼は死ぬ。


