「ゆっくりでいいよ。焦らなくていい。任務がない今は、こうやって紅茶とスイーツを楽しもう?」

「ありがとうございます……」

優しさに泣きそうになる。ツヤには怒られたばかりだ。イヅナはスイーツを一口食べ、その優しい甘さとおいしさに頬にそっと手を当てる。

「そういえば、チターゼとアレンはどうしているんですか?」

しばらくおいしさに浸った後、イヅナは同期二人のことを思い出す。アレン・ホッジンズはチェルシーの元で、チターゼ・グランツはエイモンの元で、それぞれ頑張っているはずだ。上司が違うためか、あの歓迎会以来二人には会えていない。

「アレンくん、とっても頑張ってるわよ」

「チターゼちゃん、すごいんだ」

チェルシーとエイモンは、それぞれ任務に行った時のことを話す。二人はそれぞれ頑張っているようでホッとする反面、イヅナの中に自分だけ何もできていないという劣等感が生まれてしまう。

「イヅナ、レオナード、ヴィンセント、お待たせ!やっと先客が帰ってくれてさ〜」

「何が先客だ。お前、あたしに接待をさせて自分は何もしていなかっただろうが!」