手入れがされ、美しい花々が咲く庭にテーブルが置かれ、その上にはおいしそうな紅茶とたくさんのスイーツやサンドイッチがケーキスタンドに並べられている。

「さあ三人とも、ここに座って?任務での話を聞かせてほしいわ」

ここはギルベルトの屋敷だというのに、まるで自分の家のようにチェルシーは紅茶ォ高そうなティーカップに注ぎ、イヅナたちを座らせる。

「大丈夫!ギルベルトくんの家に来た時、いつもこうやってお茶会をしてるから」

エイモンにも言われ、レオナードが「ならお言葉に甘えて!」と言いスコーンを頬張り、お茶会は始まった。

ヴィンセントが任務のことを報告し、チェルシーとエイモンは真剣にその様子を聞く。そして時折り、「僕もそんな時があったな」とか「懐かしいわね」と微笑みながら言っていた。

「イヅナちゃん、レオナードくん、二人も任務には慣れた?」

紅茶を飲んでいると、チェルシーに声をかけられる。レオナードは「はい!戦鎌をだいぶ使いこなせるようになりました!」と答えたものの、イヅナは「えっと……」と俯くことしかできない。

妖を倒してアレス騎士団に貢献することも、妖と仲良くなって人を助けることも、何もできていない。そんなイヅナの目の前に、おいしそうなタルトが置かれる。エイモンがニコリと笑った。