だけど咲来は、私の足に縋り付くだけ。

問い続けるとたっちゃんに止められ、お兄様が咲来と向き合う。



「ごめん……っ」



「ごめんなさい、唯来……っ」



「申し訳ない……っ……」



「ごめんね……。ごめんね、唯来……」



「孫の事、しっかりと考えます……」



「息子を甘やかした罰だ……。申し訳なかった……っ」



咲来を皮切りに、5人も頭を下げる。



「たっちゃん、帰る……っ」



「そうしよう」



「今後、唯来に近付いた時は、俺は容赦なく女だろうと殴るだろう」



「良い祖父と祖母になってくれ」



「これは許しへの第一歩に過ぎないわ。雪解けは、あるのかしらね……」



的渕家を出た私たちは、お父さんの運転する車で、山を目指す。



「おかえりなさい」



「莉帆?どうした」



「私が出しゃばる事ではありませんが、父を使って頂こうかと、連れて参りました」



「はじめまして」



「「「『…………?』」」」



「父は【宮本(みやもと)】・【さくら】・【海雲(かいうん)】など、三ツ星旅館で支配人を務めておりました」



「僭越ながら、娘からお話を少し聞きました。引き継がれますホテル経営が安定するまで、ご協力をさせて頂きたく参りました」



家に着くと、ガレージに莉帆さんの車。