【短編】貴方だけを愛しています




「今からお兄さんと、駆けっこしまーす!」



「誰がお兄さん?」



「おじさんの間違いだ!」



「何だとー!?;;」



数日後、お兄様が託児所へと迎えに来たと思えば、小学生と駆けっこを始めようと声を掛けた。

しかし、“お兄さん”発言を否定され、ムキになって追いかけっこに変わる。

ヤレヤレと追いかけっこが終わるのを待ってると、待ちくたびれたのか、たっちゃんとお父さんもやって来た。



「何だ、この騒ぎ;;」



「お兄様でーす……」



「1人で寄越すんじゃなかったな」



「マサぁ゛ー!!」



「「「『キャーッ!!』」」」



「「…………;;」」



…お父さんまで、止めてよ;;



「親子だよな」



「たっちゃんは本当、バランス良く、良い遺伝子を貰ったね」



「どこでも褒めるな」



「たっちゃん、嬉しそうだね?」



「どうだろな」



「ニヤけそうじゃん」



「別に」



「たっちゃんの澄ました顔も大好き」



「俺も大好き」



「「…………」」



「マサ……っ、ゲホケホッ!;;」



「「……行こ(う)」」



「無視すんなー!;;」



「ま、待て……!;;」



…お腹空いたし、嫌だ!