【短編】貴方だけを愛しています

キスマークを強請ると、呆れたように笑いながらも、応えてくれる。



「挑発に乗って来るような気がする。でも、このキスマークが、守ってくれると思う」



「……俺もそう思う。今、的渕の頭は唯来を奪う事でいっぱいだろうからな」



「じゃあ、私は達也で頭いっぱいになる」



「昼間から、兄貴みたいなヤツだな;;」



「……わかった。もう良い……っ。たっちゃんはとことん私の恥ずかしさを……っ……」



「それでこそ、唯来だ」



「何が……っ……!」



「俺をたっちゃんと呼ぶ。そして、泣き虫。不安なら、不安と言えば良い。俺の気持ちより、自分の気持ちを優先して良い」



「不安なんてない……。たっちゃんと将也お兄様は、絶対に私を守ってくれる……っ!ただ、たっちゃんが1人で感情を抑えてるのは、嫌……。前みたいにキスでも良い……っ。たっちゃんに、少しでも役に立てるなら、私は何だってンンッ――…」



「俺が抱きたくなった」



「たっちゃん……っ」



私の誘いは、本当には応えて貰えず。

強がった心は、昔へと戻される。

ベッドへと寝かされ、指を絡め合い、ただただたっちゃんを追い掛ける。

全て、たっちゃんの物。

私の全て、たっちゃんだと言う事に、嘘は何一つない。