【短編】貴方だけを愛しています

一先ずリビングを通り抜け、2階へと上がる。



「たっちゃん」



「…………?」



「鍵、閉めようかな……っ」



部屋へ行き、後ろ手で鍵を閉める。

ベッドへと上がり、たっちゃんの脚へと跨がって座り、目を閉じる。



「…………。何で?;;恥ずかしさ堪えて頑張ってるのに」



しかし、何も起こらない。



「綺麗な顔だと思って」



「全て、たっちゃんの物。全て、たっちゃんの為。たっちゃんが居るから、辛い事も悲しい事も乗り越えられた。たっちゃんが居るから、私は幸せ」



「…………」



「たっちゃんの喜びも、怒りも、哀しみも、楽しみも、2人で増やして、時には減らしてあげたい。私はたっちゃんを守れるかはわからないけど、それは出来ると思う」



「後ろをついて来てた唯来が、逞しくなったな」



「たっちゃん……。達也を、愛してる……」



目を伏せ、私から初めての口付け。

少し開いた唇の隙間から、舌を入れれば絡み合う。



「ここに、いっぱい印付けて。憧れだったの」



「どういう憧れだ;;」



「良いから。お守りになるんだって」



「キスマークがな」



唇を離し、セーターを脱ぎ捨ててインナーの胸元を引っ張る。