父に延々とエージの愛を語り尽くした莉音は
学校の門の前で父の車を降りる
「ありがとうパパ」
お仕事頑張ってと付け加えて扉を閉めると車はゆっくりと動き出した
ふぅと一息吐いてから莉音は靴箱へと向かった
2ーA 雨音莉音 と書かれた靴箱を開けると
大量のゴミ、手紙と呼ぶか分からない紙の切れ端には暴言
莉音は高校一年生の2学期以降からいじめに遭うようになっていた
初めは挨拶をしても無視をされるなど
気のせいかと思っていた
次第に状況は悪化していった
理由は彼氏を莉音に取られた
莉音は誰とでもヤる女だとか
そんな根も歯もない噂から始まった
それでも莉音が負けずに学校へと行けるのは
親友とエージが心の支えになっているからである
エージ達のチャンネルに巡り会ったのもその頃だった。
莉音は息を深くついて手下げの鞄からビニール袋を取り出した
ガラガラとゴミを掻きだしビニール袋に流し入れる
これもまた日常と言って良いほど恒例行事のような物になってしまっていた
「っ!」
靴箱の奥まで手を入れ込むとそこにはカッターの刃が剥き出しで置かれていた
痛みで顔を歪める莉音
ビニール袋も床に落としてしまい
ゴミもばら撒かれてしまった
莉音は唇を噛み締めゆっくりとしゃがみゴミを集める
強くあろうとする莉音はせめて学校でだけは
泣くまいとしていた
そうでなければ負けてしまったと認めてしまうのではと彼女なりに思ったのだろう
ふと、莉音の上に影が落ちた
「?」
気になり見上げようとした時にその影はすっとしゃがみゴミを一緒に拾い出してくれたのだ
「あ、ありがとう」
癖のある黒髪で全体的にもっさりとした印象の髪にい分厚い眼鏡をかけているため表情もよく見えない男の子
彼は上妻 拓人-Takuto Agatsuma-
2年生になって同じクラスメートになった男の子だ
身長は高くスタイルは良いものの髪型や眼鏡のせいもあり暗くあまりクラスの生徒とも話す素振りすら見かけたことはない
教師すら声も聞いたことがないという
そんな彼を莉音は失礼ながら仲間意識を持っていた
「上妻君おはよう!」
明るく挨拶する莉音
上妻はこくりと頭を下げ返す
そんな些細な事でも莉音は嬉しかった
最後のゴミを集め終えぎゅっと袋を結ぶ
その時自分が手を切っていたことを思い出した
保健室に行ってから教室に向かおうと思い
上妻に先に行ってくれと伝えようと顔を上げると
無言ではあるが何か言いたそうな上妻、
「?」
莉音は汲み取れず首を傾げる
その上妻
学校の門の前で父の車を降りる
「ありがとうパパ」
お仕事頑張ってと付け加えて扉を閉めると車はゆっくりと動き出した
ふぅと一息吐いてから莉音は靴箱へと向かった
2ーA 雨音莉音 と書かれた靴箱を開けると
大量のゴミ、手紙と呼ぶか分からない紙の切れ端には暴言
莉音は高校一年生の2学期以降からいじめに遭うようになっていた
初めは挨拶をしても無視をされるなど
気のせいかと思っていた
次第に状況は悪化していった
理由は彼氏を莉音に取られた
莉音は誰とでもヤる女だとか
そんな根も歯もない噂から始まった
それでも莉音が負けずに学校へと行けるのは
親友とエージが心の支えになっているからである
エージ達のチャンネルに巡り会ったのもその頃だった。
莉音は息を深くついて手下げの鞄からビニール袋を取り出した
ガラガラとゴミを掻きだしビニール袋に流し入れる
これもまた日常と言って良いほど恒例行事のような物になってしまっていた
「っ!」
靴箱の奥まで手を入れ込むとそこにはカッターの刃が剥き出しで置かれていた
痛みで顔を歪める莉音
ビニール袋も床に落としてしまい
ゴミもばら撒かれてしまった
莉音は唇を噛み締めゆっくりとしゃがみゴミを集める
強くあろうとする莉音はせめて学校でだけは
泣くまいとしていた
そうでなければ負けてしまったと認めてしまうのではと彼女なりに思ったのだろう
ふと、莉音の上に影が落ちた
「?」
気になり見上げようとした時にその影はすっとしゃがみゴミを一緒に拾い出してくれたのだ
「あ、ありがとう」
癖のある黒髪で全体的にもっさりとした印象の髪にい分厚い眼鏡をかけているため表情もよく見えない男の子
彼は上妻 拓人-Takuto Agatsuma-
2年生になって同じクラスメートになった男の子だ
身長は高くスタイルは良いものの髪型や眼鏡のせいもあり暗くあまりクラスの生徒とも話す素振りすら見かけたことはない
教師すら声も聞いたことがないという
そんな彼を莉音は失礼ながら仲間意識を持っていた
「上妻君おはよう!」
明るく挨拶する莉音
上妻はこくりと頭を下げ返す
そんな些細な事でも莉音は嬉しかった
最後のゴミを集め終えぎゅっと袋を結ぶ
その時自分が手を切っていたことを思い出した
保健室に行ってから教室に向かおうと思い
上妻に先に行ってくれと伝えようと顔を上げると
無言ではあるが何か言いたそうな上妻、
「?」
莉音は汲み取れず首を傾げる
その上妻


