ジリリリrrrrrrrr

けたたましい爆音の目覚まし時計
んっと艶かしく寝返りをする莉音
きっとそこらの男子学生なら鼻血モノ
それほどに色艶やかな甘栗色の艶のあるロングヘアー
ふっくらしたピンク色の唇
長いまつ毛白い女性らしい体つき


「後5分だけぇ」

寝起きのせいか少し舌たらずな喋り方
耳をくすぐるような鈴の音の様な声

男なら堪らなくイチコロだろう

男なら、、、



「良い加減におきなさぁああい!!!」


朝の戦場で戦う母親にはそんな甘えは許されない



布団を剥ぎ取られ丸くなる莉音を容赦なくベットから引きずり落とす


そんな様子を心配そうに見つめ莉音起きなさい
と小さく声をかける男

父 昌幸-Masayuki-だ

黒縁の眼鏡にゆるっとしたパジャマの見るからに優しそうな37歳とは思ええぬその見た目とは裏腹にいざ仕事となるとガラリと変わる

そう、莉音が朝に弱いのは父譲りと言って良いだろう。


そうこうしている間に母は莉音のベットのシーツを張り替え夫のベットシーツも張り替えてとバタバタと働いている


父が莉音の側により
莉音起きなさいと優しく抱き起す

むぅと膨れる娘に

「8時半だけれど学校はどうするんだい?」

と、優しく声をかける

今まで甘えた声でゴロゴロと猫の様に剥がれた布団の代わりに暖を取ろうと父にくっついていた莉音の目がパチリと開く


母ゆずりの少し黄緑色した色素の薄い瞳が目覚まし時計へと視線を向ける


「遅、遅刻ぅ?!」


一気に目を覚ました莉音は半泣きでバタバタと準備をしだした

「そう言う貴方も遅刻するわよ!急いでご飯食べてちょうだい」

そう昌幸に声をかける由乃

あ、そうだったと慌てて娘の部屋を飛び出し
自室に戻る


由乃は1人ため息をついた


「何でこんなにマイペースなのよこの人たちは、」



由乃は莉音の脱いだパジャマと昌幸のパジャマを手に一階にまたバタバタと降りていった


「「いってきまーす」」


そう父と娘が出たのは5分後の事だった