社員たちは何も知らないのだろう。



自分たちが働いている会社が実際にはどんな物を扱っているのか。



それに、私のことを榎本みたく見張らないし、関わりも持たない。




そっと立ち、この部屋とは別にある社長部屋に入る。




この部屋にも仕事をするようなものはないが、唯一パソコンだけがある。


テーブルに近づき、パソコンを覗きみれば、電源がついたままになっていた。




スリープしたパソコンを動かし、表示されたのはパスワード


あるはずはないと思いながらも、テーブル周辺を探すと、見つけてしまった。