声は幸の後ろの方から聞こえてきた。
幸は大きな溜め息を1つすると後ろを振り返った。

振り返ると、入り口の階段に寝ている
高岡豊《タカオカユタカ》がいた。


「‥高岡くんこそ、なんでこんな所で寝てんの、今授業中なんですけど。」

「山神さんこそ、何してんの?授業中なんですけど~」
そぅ言うと豊は起き上がって
幸の方へ近づいてきた、

「別に‥‥気分転換」
豊が近くに来ると同時に
幸は入り口に向かって歩いていた
「じぁ、俺も気分転換」
豊が幸の顔を覗きながら
言った。
少しばかりふざけているょうにも見えた。
「‥あっそ。」
そんなふざける豊を後目に幸は入り口に歩き続けた。

前から幸は豊が苦手だった。
と言うか、嫌いだった。
豊は自分とは違って、いつも誰にでも笑顔を見せていた、いつも明るく豊の周りには人が集まっていた。
そんな誰にでも
笑顔を見せる豊が
幸は嫌いで
軽い奴だと思っていた。

だから
今、 この屋上でこいつと2人きりでいること事態嫌だった。
しかし
幸が入り口のドアを開け
屋上から消え去ろうとした時












「山神さん、死のうとしたんでしょ。」





またもや後ろから幸の足を止める声がした。