びっくりして、声の方を見ると フルートを持った小柄な女の子が立っていた。 上靴の色が青い。 多分、3年生だ。 「楽器、ですか......?」 「うん、楽器。」 どうして......と心でつぶやく。 だって、高校に入ってから楽器ができるなんて言ったことなかったのに。 「ピアノと、フルートを吹部で......」 「良かった、カルメン幻想曲、弾いてたから。」