新学期がはじまった。3年に進級した。

クラス替えの表を見て、さすがにちょっと不安がいっぱい。


真篠くん、ゆるる、ちふちゃんとはクラスが離れ……同じクラスにみゆたんとマキマキとはおりんがいる。

本来神クラスなのにぜんぜん浮かれられない。


「彩夜架ちゃんどんまーい」


ちふちゃんがゆるると腕を組んで見せつけてくる。


「3年では修学旅行もあるのに…なのに……」

「彩夜架、隣のクラスだし合同授業とか同じだから泣きそうな顔しないで」


天使の声に励まされる。そう…そうだよね。でも心なしか、真篠くんとオトナキラリシーンで見かけた子たちもちらほらけっこういる気がする。心細いなあ…。



「あ、羽織くんおはよー」


ちふちゃんが一人で登校してきたはおりんに話しかけた。


「おはよちふ。彩夜架、同じクラスよろしくね」

「え!うん…!ありがとう」

「ありがとうって何?一緒に教室行こうよ」


何、じゃないよ。…ありがとうだよ。ひとりじゃ教室に行けなかったかもしれない。保健室登校になっていたかも。

教室に向かいながらそう言うとはおりんは笑って「彩夜架なら友達できるよ」と言ってくれた。


今までは友達づくりに困ったことはなかったけどさ…。

うーん。やっぱり、ちょっとだけ真篠くんのせいもあるって思ってきた。いいけどね。


「それより今度春メイクの研究しよーよ」

「したい!」


はおりんがいてくれてよかった。あんなに迷惑かけたのにこうして気さくに話してくれるなんて。

でも教室の中では席が遠くて離れ離れ…。そしてなんとマキマキと近くて、思わず息をひそめるように座った。