Not Too Late

「……。」気まずい沈黙が流れる。

「…瞬とはどうなったんだよ。別れたのか？」

「…うん、聞いたかもしれないけど、瞬浮気してて…それで…。」

「…は？浮気ってなんだよ。」
私はまさか夏樹が知らないとは思わなかったから、驚きを隠せない。

「…聞いてない？瞬私以外にも他三人と付き合ってて、そのうち一人の子が妊娠してて、それが問題で学校辞めたんだって。」

「…俺にも挨拶なしかと思えばそういうことだったのかよ。だから俺には言わなかったのか最低だな。」冷静なように見えて、拳には力が籠っているのが分かるから、きっと私のために怒ってくれているんだと思う。

「…あのさ…言いにくいけど、華菜はそういうことはしてないよな…？あいつと…。」問題の彼女との一件を聞いたからか、私を心配しているのだろうか。

「…してないよ。キスまで…。」
好きな人相手にこんなことを言うなんて恥ずかしいし、辛いけれどきっと夏樹もこれからそういうことをすることになるんだろうし、おあいこだと思うことにしよう。