今は十二月。冬の雨は思っていたよりも冷たすぎた。
髪の毛は一瞬で濡れた。まるでシャワーを浴びているかのように雨が私に降り注ぐ。

ブレザーは濡らしては行けない素材だからバックの中に入れた。

そのせいかセーターがどんどん冷たい水を吸収して、体温が奪われていく。

寒い、寒くて仕方ない。それなのに助けを求められる人が誰もいなくて、それが悲しくて涙が出る。1度でたらもう止まらない。

「…夏樹…。」そう呼んでも返ってこない来ないことなんて十分すぎるほど分かっている。

「…会いたい。…夏樹。」
寒くて、辛くてもうこれ以上先に進めない。震えが止まらないまま、その場に立ち尽くした。

「…うっ……っ…ううっ」