夕方、またスマホが振動した。
ブーッ、ブーッ、ブーッ
制服のポケットからスマホを取り出すと、
「え、電話!?」
哉太先輩からだった。
・・・「はい。」
応答ボタンを押してスマホを耳に当てる。
「もう帰っちゃった?」
電話越しの哉太先輩の声・・やばっ。
また緊張で声が震えてくる。
「いえ、これからです。今下駄箱にいて・・」
言いかけで、哉太先輩が遮った。
「じゃ、今からそこ行くわ。」
・・へ?
そこ行く→ここ来る→一緒に帰る?
今日一日で展開が早過ぎて、朝の麻理のように私もフリーズ寸前だった。
「あ、いたいた。」
哉太先輩の他に、お昼をご一緒した巽先輩も一緒だった。
え。
今麻理いないんデスケド・・
この2人の先輩と私だけ!?カオス・・。

