「もちろんよ、私たちはもうお友達でしょう!? いつだって聞かせて!」
 あんなに熱い握手を交わしておいて友達じゃないなんて、そんな馬鹿な話はない。なにより、私はもうヴィオラのことが大好きになっていた。
「嬉しい!」
 満面の笑みを浮かべたヴィオラはどこか吹っ切れたようで、その表情はとても晴れやかだった。
「リリー、俺は君に謝らなければならんな」
 するとここで、私とヴィオラのやり取りを静かに見守っていたパパが、唐突に切り出した。
「パパ?」
「俺は以前、君に『むやみに魔力を使ってはいけない』と言ったが、それは乱暴だった。もちろん、魔力が日常の中で乱用すべきものではないという考えに変わりはない。君に危険は冒してしてほしくない。だが、必要な時は魔力を有効に使い、活かせばいいんだ。俺は今回の一件で、それを身をもって知った。君の誇るべき力を端から否定するような物言いをしてすまなかった」
 思いもよらないパパからの謝罪に、私は目を真ん丸にした。