今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~

「どんなって……そうですわね。『ゥ゛オロミャーーゴ』というような……」
 ……へー! そうなのか。ベルの鳴き声は、みんなにはそんなふうに聞こえているのか。
 でもさ、それならちょっとヘンだけどギリギリセーフ! ネコで十分押し通せるよ! 私は内心でガッツポーズした。
「って、いやですわ! お嬢様だってお聞きになっておられますのに、私に鳴きまねなど……! もう、恥ずかしいったら」
「ご、ごめん、クレア。いやね、あんまりヘンな鳴き声だから、自分の耳に自信がなくって、つい」
「まぁ、そうですわね。その気持ちは分からないでもありませんわ。それにしたってこの声……もしかして、人間になにか悪さをされてこんな声になってしまったのでしょうか。可哀想に……」
 おお! まさかベルのしゃがれ声がクレアの同情心を煽っていた。
 これは、ベルを飼うにはかなりの追い風なんじゃない!?
「ねぇクレア、私、このネコを飼いたいの。ちゃんと自分で世話もする。パパは許してくれるかな?」