それにしてもバイアスって名前、どこかで聞いたことがあるような気もするけれど誰だったかな? ふと、名前に微かな既視感を覚えたが、思い出すには至らなかった。
――ガタンッ。――バタンッ。
ふたりの手で廊下の窓か次々と開け放たれて、廊下に充満していた温熱ミストが抜けていく。いくらもせずに、もわもわと霞んでいた視界が開けた。
……え!? 窓を背に、こちらを鋭く睨みつける長身の男性のシルエット。
逆光になっていて、顔の造作は分からない。だけど、引きしまった筋肉に覆われた均整の取れた体形と、ユーベルグルク王国騎士団所属を示す濃紺のマントを留めるプラチナのマント留め。それらを目にした瞬間、まるで脳天から雷に打たれたみたいにビリビリとした電流が全身を駆け抜けた。
視線はその人ただひとりに釘付けになり、脳内を目まぐるしいほどの情報の嵐が駆け巡る。
あ! あっ、ぁああああああっっ!!
「私、この人知ってる――っっ!」
その人を凝視し、無意識のまま仰け反るようにして叫んでいた。
――ガタンッ。――バタンッ。
ふたりの手で廊下の窓か次々と開け放たれて、廊下に充満していた温熱ミストが抜けていく。いくらもせずに、もわもわと霞んでいた視界が開けた。
……え!? 窓を背に、こちらを鋭く睨みつける長身の男性のシルエット。
逆光になっていて、顔の造作は分からない。だけど、引きしまった筋肉に覆われた均整の取れた体形と、ユーベルグルク王国騎士団所属を示す濃紺のマントを留めるプラチナのマント留め。それらを目にした瞬間、まるで脳天から雷に打たれたみたいにビリビリとした電流が全身を駆け抜けた。
視線はその人ただひとりに釘付けになり、脳内を目まぐるしいほどの情報の嵐が駆け巡る。
あ! あっ、ぁああああああっっ!!
「私、この人知ってる――っっ!」
その人を凝視し、無意識のまま仰け反るようにして叫んでいた。



