……魔力を補充? コテンと首を傾げつつ、ふと、手の中のベルの毛がモフッとボリュームアップして艶やかになっているのに気づく。
 いっぱい撫でられてベルもすっかり満足したようで、私の手から離れるとグーッと大きく伸びをした。
「もしかして、ベルの毛がピカピカになったのって私が撫でたからだったりする?」
『おお、そうじゃ。そなたの光魔力は、この世界にあってわしの唯一のエネルギー源じゃ』
「……光魔力?」
『なんじゃ。自覚しておらんのか? そなたはこの世界にあってただ一人の光魔力の使い手じゃろうに』
 聞かされて、ゴクリと唾を飲み込む。
 この時、『むやみに魔力を使ってはいけないよ』というパパとの約束が私の脳裏を過ぎった。パパは、私がみだりに魔力を使うのをよしとしない。混合魔力の闇魔力はその筆頭だが、他の魔力にしてもそう。
 だから、私はさっきの雨よけもパパの前では行わず、わざわざ自室に戻ってやったのだ。
 ……それなのに、私ってば魔力を垂れ流しちゃってるの!?