今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

　……うん。やっぱり、パパには要注意ね！
　バイアスさんの手をギューッと握り返しながら、改めて、これから始まるパパとの生活に気を引きしめた。
　私とバイアスさんが握った手と手をふりんこふりんこしている横で、パパが「え!?　それ大丈夫!?」ってくらいに眉間の皺を深くして、周囲に氷点下のブリザードを漂わせていたことには、これっぽっちも気づかなかった。
　……あれ？　日が暮れてきたからか、ちょっと冷え込んできたかも。
　へへへっ、バイアスさんの手、あったかーい。
　バイアスさんはふりんこふりんこの途中で、一瞬だけパパの方をチラ見して、再び私に目線を戻すとなにごともなかったかのように微笑んだ。
　とにもかくにも、こうして私とパパの同居生活は幕を開けたのでした。

＊＊＊

　リリーと同居を始めて三日目。
　……解せない。実に、解せない。
　俺は騎士団施設の最上階にある騎士団長室で、奥のデスクに腕組みしながら右に左に首を傾げていた。
　――カタンッ。