どうやら私はそれと知らぬ内に混合魔力こと、闇魔力に手を出してしまっていたらしい。
「ごめんなさいっ! 魔力のまぜまぜが闇魔力だなんて知らなくて……でも、もうしません!」
「なに、分かればいい。どんな巡り合わせか、俺たちは縁あって父子になった。これから、仲良くやっていこう」
大慌てでさらに頭を低くする私にパパはクッと口角を上げて告げると、分厚くて大きな右手を差し出した。
「は、はい!」
おっかなびっくりで、私がちょこんと右手を重ねれば、ギュッと握り込まれる。その温かさと力強さにトクンと鼓動が跳ね、胸が無性に熱を持った。
あれ? 将来私を殺す相手と握手して胸が高鳴るって、なんかヘンじゃない?
……いや、おかしいのは高鳴るって表現の方か。そりゃあ、殺し相手と手を取り合っていたら心臓もビクビクするし、体だって火照っちゃうよね。
ひとり納得し、油断すれば引き攣りそうになる頬を叱咤して、へにゃりと笑みの形を作った。
……それにしても、なんて大きくて逞しい手なんだろう。
「ごめんなさいっ! 魔力のまぜまぜが闇魔力だなんて知らなくて……でも、もうしません!」
「なに、分かればいい。どんな巡り合わせか、俺たちは縁あって父子になった。これから、仲良くやっていこう」
大慌てでさらに頭を低くする私にパパはクッと口角を上げて告げると、分厚くて大きな右手を差し出した。
「は、はい!」
おっかなびっくりで、私がちょこんと右手を重ねれば、ギュッと握り込まれる。その温かさと力強さにトクンと鼓動が跳ね、胸が無性に熱を持った。
あれ? 将来私を殺す相手と握手して胸が高鳴るって、なんかヘンじゃない?
……いや、おかしいのは高鳴るって表現の方か。そりゃあ、殺し相手と手を取り合っていたら心臓もビクビクするし、体だって火照っちゃうよね。
ひとり納得し、油断すれば引き攣りそうになる頬を叱咤して、へにゃりと笑みの形を作った。
……それにしても、なんて大きくて逞しい手なんだろう。



