今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~

 みんなで一緒にわらわらと居間へと移動する。
「そうだ! ガーデンパーティで食べたブドウやフォンダンショコラ、唐辛子せんべいがまだ残ってるから、それも出してもらおう! ……あ、シェフにフォンダンショコラの温め直しもお願いしてこなくっちゃ!」
「こらリリー、そんなのは全部ジェームズに任せておけばいい! 走ると転ぶぞ!」
 パパのちょっと焦った声を背中に聞く。
「だーいじょうぶ! 家の中で転んだりしないよ! パパは先に、みんなと座ってて!?」
 パパに笑顔で返し、屋敷の廊下を駆け出す。
「お、おい! ……まったく、しょうのないおてんば娘だ。そこがまた、可愛いのだがな」
 パパの呟きを聞くともなしに耳にしながら、私の心は幸せが溢れていた。
 なにより、ゲームのシナリオから解放された私の人生の第二章は、まだ始まったばかり。大好きなパパやみんなと一緒に過ごす未来には、もっともっといっぱいの幸せが待っているはず――!
 ふふふっ。これからパパと一緒にこの世界でいろんなことを楽しんで、楽しみつくしてやるぞ――っ♪ やっほー!
 私は弾む心で両手を大きく広げ、明るい未来に向かってピョーンと大きくジャンプした。

END