今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~

「なぁリリー、パパも今日は楽しかった。だがな、パパが楽しいのは今日だけじゃないんだ」
「え?」
「君のパパになってから、目にするすべてが新鮮で、俺の日常がこれまでとは段違いに充実しているんだ。愛しいリリー、俺の娘になってくれてありがとう。俺の娘が君でよかった。リリーはパパの自慢だ。そして君の存在は、パパにとって宝だ」
 私のことを宝とまで……っ。耳にした瞬間、有り余る嬉しさに胸が詰まり、ポロポロと溢れる涙が止まらない。
「おいリリー、なにを泣く? そんなに泣くと瞳が溶けてしまうぞ」
 もう、私が寂しさに涙を流すことはない。だけど、湧き上がる嬉しい思いが私の胸を熱くして、新たな涙が後から後から溢れ出て止まらない。
 泣き止もうと思うのに、意思に反して嬉しい涙はまだまだ治まる気配がなかった。
「へへへっ、おかしいね。なんでか涙が止まらないの」
「……そうか。なら、好きなだけパパの腕の中で泣いたらいい」
 パパは私の後ろ頭を優しく撫でながら、トンッと肩に凭れさせる。