今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

　私は物心ついた時からずっと実の両親や使用人たちから疎まれてきて、悲しいのも、寒いのも、ひもじいのだって慣れっこだった。でも、寂しいのだけは慣れなかった。
　そこに庇護者として現れたパパが、私の心の隙間を埋め温かな感情でいっぱいにしてくれた。
　パパが与えてくれる絶対的な安心感は、束の間の遊び相手を務めてくれた魔粒子たちとはまるで違うものだった。
　パパが来て、屋敷が「私の家」になり、自分の居場所ができた。パパのおかげで、私は初めて「生きている」実感が得られたのだ。
　それら全部が「ありがとう」で、心の中にはパパへの感謝が溢れている。それなのに、いざ言葉にして伝えようとすると、五歳の口ではどうしても上手く伝えきれないのがもどかしい……。
「……パパ、大好き」
　そんな思いを埋めるように、両腕で力いっぱいギューッとパパに抱きついた。
　するとパパが、そっと私を腕に抱き上げて、目線の高さを同じにする。パパのグリーンの瞳に、私の姿が映っていた。