真っ直ぐにリリーを見つめて告げれば、リリーは顔をクシャリとさせて微笑んだ。
「……どうぞ、パパ。枕もとに置くと、よく眠れるんだって」
「ありがとうリリー、大事にする。さっそく今晩から枕の脇に置いて寝よう」
はにかみながら差し出されたポプリを、今度こそしっかりと受け取る。
「へへっ。本当はね、私もパパにもらって欲しかった。こんなだけど、今日作った中で一番上手にできたやつなんだ」
「こんな、などと卑下するものじゃない。リリーの思いが詰まったポプリだ。今夜はきっといい夢が見られるな」
「うんっ!」
大切にポプリをポケットにしまう。リリーを抱いたまま食堂に足を向けながら、俺たちの距離がグッと縮まったのを感じていた。
……可愛いらしく俺を呼ぶ「パパ」の声も、その笑顔も一見すれば同じ。しかし、そこには俺への親愛の情が惜しみなく滲んでいる。
これまでリリーは、笑ってはいてもどことなく憂いのような影があった。それが、一週間前のあの日を境にして完全に消えた。
「……どうぞ、パパ。枕もとに置くと、よく眠れるんだって」
「ありがとうリリー、大事にする。さっそく今晩から枕の脇に置いて寝よう」
はにかみながら差し出されたポプリを、今度こそしっかりと受け取る。
「へへっ。本当はね、私もパパにもらって欲しかった。こんなだけど、今日作った中で一番上手にできたやつなんだ」
「こんな、などと卑下するものじゃない。リリーの思いが詰まったポプリだ。今夜はきっといい夢が見られるな」
「うんっ!」
大切にポプリをポケットにしまう。リリーを抱いたまま食堂に足を向けながら、俺たちの距離がグッと縮まったのを感じていた。
……可愛いらしく俺を呼ぶ「パパ」の声も、その笑顔も一見すれば同じ。しかし、そこには俺への親愛の情が惜しみなく滲んでいる。
これまでリリーは、笑ってはいてもどことなく憂いのような影があった。それが、一週間前のあの日を境にして完全に消えた。



