そう言ってリリーが、俺の目の前に手のひらを差し出す。手の上には、若草色のオーガンジーで作られた小さな巾着袋がのっかっていた。
認めた瞬間、目が小さな手にのっかったそれに釘付けになった。
巾着の口を留めているリボンは結びが縦になっており、巾着袋の縫い目はジグザグ。さらに縫い目が大きくなってしまっている部分からは、ちょろんとラベンダーが飛び出している。
リリーがどんなに一生懸命に作ってくれたのかが、目に浮かぶようだった。
グッと胸が詰まってしまい、咄嗟に声が出ない。
すると、そんな俺の態度になにを思ったか、リリーの表情がサッと陰りを帯びる。
「っ、やっぱりこれはダメ! 明日もう一度作り直して――」
「俺はこれがいい」
慌てた様子で手を引っ込めようとするリリーを止め、ポプリごとキュッと彼女の手を握り込む。
「え?」
「リリーが一生懸命作ってくれたこれが欲しい。パパにこれをくれないか?」
認めた瞬間、目が小さな手にのっかったそれに釘付けになった。
巾着の口を留めているリボンは結びが縦になっており、巾着袋の縫い目はジグザグ。さらに縫い目が大きくなってしまっている部分からは、ちょろんとラベンダーが飛び出している。
リリーがどんなに一生懸命に作ってくれたのかが、目に浮かぶようだった。
グッと胸が詰まってしまい、咄嗟に声が出ない。
すると、そんな俺の態度になにを思ったか、リリーの表情がサッと陰りを帯びる。
「っ、やっぱりこれはダメ! 明日もう一度作り直して――」
「俺はこれがいい」
慌てた様子で手を引っ込めようとするリリーを止め、ポプリごとキュッと彼女の手を握り込む。
「え?」
「リリーが一生懸命作ってくれたこれが欲しい。パパにこれをくれないか?」



