前世の記憶を持つ私が筋書きを色々変えちゃったせいで、黒ちゃんは登場が後ろ倒しになり、あげくに割を食う形でストーリー上の事件(イベント)まで回収されられてしまって。
そう考えたら、急に黒ちゃんのことが不憫になった。今回の一件で黒ちゃんが断罪されることはなんとしても避けたいと、私は思考を巡らせた。
『おふたりとも、いい加減にしてください! おふたりを人間界に野放しにしておけるわけがないでしょうが』
『ん? 野放しがいかんのじゃったら、そなたらもここに留まれば問題なかろう?』
『そういう問題では――いや? そういう問題なのか?』
『ふむ。たしかに、私たちが共に人間界に留まり、王と長老を見張っていればいいのか』
今もベルと黒ちゃん、白いウサギさんと白リスさんの四匹はああだこうだ言い合っている。そんな彼らの声は、パパたちにはただの鳴き声でしかなく……。
私は胸の前でグッと両手を組み合わせると、意を決して口を開いた。
そう考えたら、急に黒ちゃんのことが不憫になった。今回の一件で黒ちゃんが断罪されることはなんとしても避けたいと、私は思考を巡らせた。
『おふたりとも、いい加減にしてください! おふたりを人間界に野放しにしておけるわけがないでしょうが』
『ん? 野放しがいかんのじゃったら、そなたらもここに留まれば問題なかろう?』
『そういう問題では――いや? そういう問題なのか?』
『ふむ。たしかに、私たちが共に人間界に留まり、王と長老を見張っていればいいのか』
今もベルと黒ちゃん、白いウサギさんと白リスさんの四匹はああだこうだ言い合っている。そんな彼らの声は、パパたちにはただの鳴き声でしかなく……。
私は胸の前でグッと両手を組み合わせると、意を決して口を開いた。



